令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
裁判での医療行為の適否判断の困難について
2012年3月5日
2006年に福島で産婦人科医が逮捕された、大野病院事件に関する古い書き込みです。
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もしこの大野事件の医療行為をカンファレンスや学会シンポジウムなどで検討すれば、それこそ事実解明は十数分~数時間程度で完結する簡単なものでしょう。この裁判における田中教授の意見はおかしなものなのでしょうが、これがもしカンファや学会だったら、皆からオイオイと言われてあっさり却下されて終了でしょう。アホに見える意見書でも、医療者内で適切に処理すれば害になることはまずないはずです。
ところがそんな簡単な結論を出すのに、裁判っていうものは、何年もかけて、忙しいはずの各大学の教授陣など大勢を巻き込んで、オカシな意見でもさも真っ当な意見のように偽 装され、普通に真面目な医師の名誉を毀損して、時に医学的に全くオカシな判決を出して、そして…医療を崩壊に走らせて。
刑事だろうが民事だろうが、こんなシステムでやってたら医療は当然に崩壊する、ということを法曹(司法、検察、弁護士)に粘り強く語り続けなければいけないと思います。
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証人が普通の人であっても、いざ証言台に立てば順当な証言ができるか否かは、証人によって違ってきてしまうだろうと危惧します。
医学・医療的な問題に関しては、より迅速に真実に近づくためにはやはり多人数の医師が検討する必要が絶対に必要だと思います。
いっそのこと、学会で訴訟案件検討のセッションを設けて討議してみてはどうかと思います。勝手に被告側で企画・実行して、結果を証拠なり陳述書として提出してみることくらいはできるでしょうし、それなりにインパクトがあるのではないでしょうか。