谷直樹弁護士が書かれた、国保旭中央病院のタオル残置事案に対するコメントを読んで

旭中央病院で1983年に起こした、タオル置き忘れ事件の判決が今日あったようです。朝日新聞によれば以下のようです。

手術で体内にタオル25年 千葉・旭市に賠償命令

千葉県旭市の市立国保旭中央病院が手術で体内にタオルを置き忘れたため、癒着した脾臓(ひぞう)を25年後に摘出することになったとして、同県の男性(53)が旭市に1億2千万円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。森冨義明裁判長は約1100万円の賠償を命じた。

判決によると、男性は1983年に十二指腸潰瘍(かいよう)の手術を受けた。2008年に腹部で見つかった腫瘍(しゅよう)のようなものがタオルであることが分かった。判決は「置き忘れた医師らに注意義務違反があり、男性は必要でない手術を受けることになった」と指摘。障害が残ったために失ったと考えられる収入や慰謝料を賠償すべきだと判断した。

男性側は25年間にわたってタオルが体内にあったことで下痢の症状が出たと主張したが、認められなかった。市側は「脾臓を摘出しても、労働能力に影響はない」「早く医療機関を受診していればタオルは発見されていた」などと主張していた。判決を受け、旭中央病院は「内容を確認し、今後の対応を決めたいと思います」とコメントした。

2012年5月9日21時3分

この事件について、例の患者側弁護士である谷直樹弁護士がコメントをつけておられます。これがどうにも違和感を感じずにいられないものでした。

まず、脾臓を摘出した場合の後遺障害等級について、

脾臓を摘出すると,感染防御機能力が低下したり,疲れやすくなる,ので,8級相当程度の賠償が認められます.

と書かれています。私は、裁判所が認定した約1100万円という賠償額を考えると、とても後遺障害等級8級を認められたとは考えられないと思いました。そこで調べてみたところ、こちらのページによれば、現在では脾臓摘出の後遺障害等級は13級を認定されることが普通になっているようです。8級の場合の慰謝料は819万円であり、逸失利益は私がざっくり計算したところでは、550万3900円×(45/100)×11.69= 2895万3265円、となっています(再手術当時49歳、賃金センサス男子学歴計として)。 以上から、この事件において後遺障害等級を8級と認められたとは考えにくいのです。もし13級の認定であれば、慰謝料が139万円、逸失利益が579万0653円となり、さらに再手術を受けることになった慰謝料なども考慮すると、約1100万円であれば計算上は整合性が高いと思われます。

それでいて谷直樹弁護士は、

森冨義明判事は,常識的な判決を下す判事で,本件も常識的な判決です.

というのです。どうもこの感想は、勘違いに勘違いを重ねた感想に思えて仕方がありません。

また、指摘しておきたいことは、常々医療側に厳しい意見を書く谷直樹弁護士ですら、約1100万円の判決に常識的だと感想を述べていることからすれば、提訴に当たって1億2千万円余を請求した原告の請求は、甚だ非常識と言えそうです。原告代理人が誰で、どういう主張をされたのか興味があります。

最後に、谷直樹弁護士は、

それにしても,約36センチのタオルを残置するとは,驚きます。

と述べられています。この点、私も同意するところですが、そのように驚かれる谷直樹弁護士が、以上のような頓珍漢と思われる感想を書かれたことに、さらなる驚きを頂きました。

ちなみに私の感想ですが、過失の有無を争うような事案ではないでしょうから、要は賠償額の争いで、どちらかと言うと病院側の主張が通った事例という印象を持ちました。私のノートによれば事件番号は、東京地裁平成22年(ワ)第18806号でした。気が向いたら後日調べてみようと思います。

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今日の東京地裁での小競り合い

連休明けの東京地裁。受付の係員に向かって、「今は憲法週間でしょう。裁判所に入るときの検査を、一般人には受けさせて職員や弁護士は受けなくて良いのは、職業差別で憲法違反でしょう。2年前から度々理由を訊いているが明確な答えがない。ああいう差別は対外的に恥ずかしいからやめなさいよ。」とか騒いでいる。いや対外的にあんたのほうが恥ずかしいから。そしてもっと恥ずかしいのが、そのやり取りを苦笑いしながらノートにメモしている自分だったりする(笑)

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