令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
2013年5月の記事
産科医療訴訟が大幅減少、平成24年医療訴訟統計
2013年5月11日
平成24年の統計が、昨日に最高裁サイトに出されたようです。
定点観測していましたが、確か一昨日は出ていませんでした。
新規受理件数は若干増えて793件ですが、ここ数年あまり変わりがないです。
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/201305izitoukei1.pdf
判決・和解等の終わり方の傾向も、あまり変わりないです。
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/201305izitoukei2.pdf
認容率(少しでも賠償が認められた事件の割合)も、ここ5年間著変ないです。
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/201305izitoukei3.pdf
科別の件数(新規受理ではなくて、終わった事件の数)、産婦人科がだいぶ減りました。ここには出ていませんが、平成18年には161件だったようです。産科医療補償制度創 設の効果が出ている可能性があります。
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/201305izitoukei4.pdf
産科医療補償制度では、脳性麻痺児に総額3000万円の補償が出ますが、裁判を提起して勝訴したとしても普通は1000万円程度しか認められない事例がほとんどと考えられ 、その場合でも勝訴した分を補償額から減額されてしまうので、裁判を起こしても金銭的メリットがありません。
「脳性麻痺で裁判で負けたら、1億円以上」と聞くことがあるかも知れませんが、それは「医師に過失があり、そのせいで脳性麻痺を発症したのは恐らく間違いがない」場合です 。「医師に過失があり、そのせいで脳性麻痺を発症した可能性はそれなりにある」程度の場合には、1000万円程度にしかならないので、余程のことでないと、1億を超える事 態にはならないわけです。裁判抑止対策という点では、産科医療補償制度の補償額を中途半端に上げる意味は薄く、またもし1億円を超える金額にするとなると、例えば出産後に 自宅でうつぶせ寝等をして低酸素脳症を来したけれどもどこからも補償がない児との公平性が、現状であっても著しく不公平であるのに、さらに不公平感を広げることになってしまい、良案とは言えないと思っ ています。
いやぁ、眼科が増えたなぁ・・・