2013年3月の記事

東京高裁民事部の開廷表の仕様が変わった件

2013年3月15日

今日、東京高裁地裁に出かけたら、東京高裁民事部の開廷表が、東京地裁民事部と同一のフォーマット(全国でも使われている)のものに変わっていた。

東京地裁民事部のフォーマットなので、「当事者(原告等・被告等)」との見出しがあり、「原:甲野太郎、被:乙山花子」のように、略称が付されている。しかるに東京高裁であるから、当事者はほとんどの裁判では原告、被告ではなく、控訴人、被控訴人である。

これに対して、東京高裁民事第2,4,12,15,23部では、特段の対策を取らなかった。

1,7部では、略称表記を削除した(1部はコロンも削除。)。

11部では略称表記及び見出しの「(原告等・被告等)」の表記を削除した。

13部では見出しの(原告等・被告等)の表記を削除し、略称の「原」を、手書きで「控」に書き換えた(「被」はそのまま。)。

5部では、開廷表はそのままで、末尾に「原告とあるを控訴人、被告とあるを被控訴人と読み替える。」と、大きい字で波線の下線を付して表記した。

対策を施した各部の対策は、それぞれ妥当と考えるが、私の考えでは、「(原告等・被告等)」については、「等」によって原告・被告に限られないことになるので、削除は不要であり、略称表記の「原」は、注釈を付けずに放置することには妥当性がないと思う。

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裁判官が判決を間違えて、検察が控訴した模様

2013年3月10日

なにやら、神戸地裁で、裁判官が判決の出し方を間違えたために、検察が控訴したという事件があったようです。2013年3月10日 読売新聞より。

「少年は不定期刑に」地検控訴…裁判官勘違い?

強制わいせつ罪に問われた少年(19)に懲役1年10月の定期刑を言い渡した神戸地裁の判決があり、神戸地検が「少年法に基づいて刑期に幅を持たせる不定期刑が適用されるべきで判決は違法」として大阪高裁に控訴していたことがわかった。5日付。

関係者によると、少年は神戸市垂水区で昨年6月、女児に下半身を触らせたとして強制わいせつ罪で起訴された。

少年法では「少年に対して3年以上の懲役または禁錮をもって処断すべきときは、長期と短期を定めて言い渡す」などと規定。地検はこの規定が、法定刑を基に再犯や未遂といった事情を加味して決める「処断刑」の上限が3年以上の場合を指すとし、同罪の法定刑の上限が10年で減刑される事情もないため、今回の事件では懲役2年6月以上3年6月以下の不定期刑を求刑していた。しかし、地裁は2月21日、懲役1年10月を言い渡した。判決後に訂正の申し立てはなく、地検が協議後、控訴を決めた。

丸山雅夫・南山大法科大学院教授(刑事法)は「少年法の規定は検察と同様に解釈するのが通常。裁判官は『3年以上の懲役または禁錮を言い渡すべきとき』と規定を勘違いし、定期刑を言い渡したのではないか」と指摘する。

ツイッターなどで他の法律家の方々の反応を見ても、地裁判決は間違っているようです。奥村徹弁護士は「いやー誰にでも間違いがあるものですよ」と述べられています。私もそう思います。ところで、その「いやー誰にでも間違いがあるものですよ」が、業務上過失致死傷となると、犯罪として刑罰に付されることがあります。私にとって最も印象深い事件は、単なる言い間違いを犯罪として処罰され、結果として失職までさせられた日航機ニアミス事故ですが、一瞬のミスが犯罪とされる事例は、枚挙に暇がありません。それに対して判決の出し方を間違えるなどというのは、考慮時間は十分にあるのですから、過失の程度は一瞬の言い間違よりも重いのは明らかですし、また誤判という結果も、法治国家においては致死傷に負けず劣らず重大なのですから、業務上過失致死傷と同様に、「業務上過失誤判」とでも銘打って、犯罪行為として処罰したらどうでしょう? さぞかし誤判が減ると思いますよ。

なお、奥村徹弁護士によると、一部1係だということですが、裁判所サイトによれば、神戸地裁第一刑事部1係の担当裁判官は小林礼子裁判官だということになっていますが、合っているでしょうか?

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