令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
2020年1月の記事
今日の東京地裁カンファレンス鑑定など
2020年1月27日
午前の仕事を終えて東京地裁に到着し改定表をチェックすると,医療訴訟の第1回弁論と,医療訴訟の鑑定人尋問が続けてありました。鑑定人尋問にはラウンド法廷(丸テーブルに裁判官,代理人弁護士,証人等が座る方式の法廷)があてがわれており,カンファレンス鑑定と推察され,実際そのとおりでした。
第1回弁論の方は,過失の中身として「生検をしたあとに消毒をするべきだ」とか,「電話対応で直ちの来院を指示すべきだ」とかいう話でしたが,裁判長いわく,後遺症慰謝料の請求はないようだというのです。この点について原告代理人に尋ねると,後遺症については協力医からまだ確定的なことを聞いていないというのです。なにか事情があるのかも知れませんが,そんな状態で提訴に踏み切っていることが驚きではあります。
カンファレンス鑑定の尋問の方は,糖尿病,閉塞性動脈硬化症などを患っている患者さんの,大腸癌の診断と手術,また椎体看板炎で下肢麻痺をきたし,1年ほどの経過で亡くなられたという事例。昔はカンファレンス鑑定をやると言えば,傍聴席が医療訴訟を手掛ける弁護士の方々で埋まってしまって,ときとして傍聴できないこともあるような状況でしたが,最近はそういう場面に遭遇することはまずなく,今日の傍聴人は私を含めてわずか4人でした。
詳しい内容は省きますが,印象深かったのは,医療側の代理人弁護士からの質問の少なさと,遺族側の代理人弁護士からの質問の冗長でした。医療側代理人から鑑定人に対する質問がわずか1回,それも訴訟の行方を左右するようなポイントではなくて,念のためダメ押しをしたような印象でした。対する遺族側代理人の質問は,「重複になりますが」を繰り返し,針穴を通すが如きわずかな可能性をなんとか導き出そうという質問の連発でした。まあ勝負は下駄を履くまで分かりませんが,本日終結,判決日も指定されて,どんな判決が出るかはなんとなく想像がつく気がしたというものです。
今日は本当はある事件の訴訟記録をじっくり閲覧するつもりだったのですが,上記2件の傍聴のために,時間がどんどん溶けてしまって閲覧の方はほんのちょっとだけになり,後日続けて閲覧することになってしまいました。しかも昼食も食べれませんでした。我ながら馬鹿だなぁと思っています。