手術を思い止まらせるのが説明義務なのか?

今年(平成23年)の6月に傍聴した事件と思われる、多汗症に対する手術の説明義務が争われた事件の判決が出たようです。事件番号は平成21年(ワ)第55号でした。


共同通信の配信によると、

判決は「ETSの後では、別の部位から多量の発汗があり日常生活に支障が出るなど、術前より苦痛を感じる場合があることを医師が説明していなかった」と過失を認めた。

と、説明不足があったという判断だそうです。


しかし、私が原告本人と、担当医師の尋問を両方聴いたところでは、手術そのものは成功して手掌の発汗は止まったそうですし、術前には代償性発汗の説明があって、原告本人も、乳首のラインより上から出なくなった分が乳首より下の部分から出るようになることを、術前に説明を受けて認識していたということでした。さらに言えば原告は術前に説明ビデオなどを渡されて、検討する時間も十分あったそうです。


それだけ説明してなお、「術前より苦痛を感じる場合がある」という説明が義務だという理由が、皆目見当がつきません。「乳首のラインより上から出なくなった分が乳首より下の部分から出る」という具体的な説明をしてありながら、なお「術前より苦痛を感じる場合がある」という抽象的な説明する義務を科すような判断というのは、我々の理解を超えています。


東京地裁民事第14部、高橋譲裁判長。以前からちょっとアレ気なところを感じていましたが、いくら何でもひどいんじゃないでしょうかね? 後日判決文を読んで、改めて報告することになると思います。

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