橋下知事、最高裁逆転勝訴

最高裁判決のニュースを見て、そう言えばそんな事件もあったんだなぁ程度に思ったんですが、結構面白い事件だったんですね。

通常の上告審は受理された場合、上告した側に有利な判決が出ることがほぼ確定なわけですが、この事件では双方が上告受理申立して両方共受理されたのですね。ということは上告審弁論のときには双方がどっちにひっくり返るかわからない状態だったということかと。(まあ、高裁で否定された名誉毀損が復活することは難しいだろう、という予想はついていたのかな?)

内容も面白いです。

これも判決を読んで知ったことですが、あの光市殺人犯人の弁護をした弁護士たちは、殺意否認の主張を一度最高裁で排斥された(その主張に最高裁がダメ出しした)にも関わらず、差戻し控訴審で再度殺意否認を主張したとか。そしてそれは犯人にとって逆に不利益な弁護だから懲戒請求に値する、という橋下知事の内心?の主張は筋が通っているように思います。尤もテレビでの懲戒請求扇動のときにはその主張内容が伝わるようなものではなかったようですし、そのため大量の懲戒請求は、そのような理由でのものではなかったのだと思われますが。

この場合の橋下知事の処分的なものは、弁護士会内でやるならまだしも、言論の自由との関係から、賠償責任を認めるほどのものではないというのは、それなりに納得できると思うのですが、負けた弁護士側は「理解しがたい前代未聞の判決だ。絶対に承服できない」(日経より)と言っている模様です。そうかなぁ…

それにしても、荒唐無稽な殺意否認をした光市殺人事件の被告人弁護団は、世間からかなりのバッシングを受けたけれども、私には同様に荒唐無稽としか思えない弁護をした北陵クリニック筋弛緩剤点滴事件の阿部泰雄弁護士は、自らにバッシングを受けないだけでなく、逆にマスコミからの被告人バッシングの空気をかき消した点で、辣腕と評するべきでしょうかね。

ちなみに、今回の裁判所サイトに掲載された最高裁判決の、7頁17行目の「多数の懲戒請求がされたについて」の部分で、”こと”が抜けているらしいことと、14頁11行目で、懐かしの「けだし」の誤用がされていることを指摘しておきましょう。

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