「ビタミンKを投与せず乳児死亡」

2010年7月10日

もう各所で話題になっている事件ですが、まとめがてら…

「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴

 生後2か月の女児が死亡したのは、出生後の投与が常識になっているビタミンKを与えなかったためビタミンK欠乏性出血症になったことが原因として、母親(33)が山口市の助産師(43)を相手取り、損害賠償請求訴訟を山口地裁に起こしていることがわかった。

 助産師は、ビタミンKの代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与えていた。錠剤は、助産師が所属する自然療法普及の団体が推奨するものだった。

 母親らによると、女児は昨年8月3日に自宅で生まれた。母乳のみで育て、直後の健康状態に問題はなかったが生後約1か月頃に嘔吐(おうと)し、山口市の病院を受診したところ硬膜下血腫が見つかり、意識不明となった。入院した山口県宇部市の病院でビタミンK欠乏性出血症と診断され、10月16日に呼吸不全で死亡した。

 新生児や乳児は血液凝固を補助するビタミンKを十分生成できないことがあるため、厚生労働省は出生直後と生後1週間、同1か月の計3回、ビタミンKを経口投与するよう指針で促している。特に母乳で育てる場合は発症の危険が高いため投与は必須としている。

 しかし、母親によると、助産師は最初の2回、ビタミンKを投与せずに錠剤を与え、母親にこれを伝えていなかった。3回目の時に「ビタミンKの代わりに(錠剤を)飲ませる」と説明したという。

 助産師が所属する団体は「自らの力で治癒に導く自然療法」をうたい、錠剤について「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの。適合すれば自然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かう」と説明している。

 日本助産師会(東京)によると、助産師は2009年10月に提出した女児死亡についての報告書でビタミンKを投与しなかったことを認めているという。同会は同年12月、助産師が所属する団体に「ビタミンKなどの代わりに錠剤投与を勧めないこと」などを口頭で申し入れた。ビタミンKについて、同会は「保護者の強い反対がない限り、当たり前の行為として投与している」としている。
(2010年7月9日 読売新聞)


鼬、キーボードを叩く
より

助産師会が主催する講演会、セミナー、イベントについて調べたところ、ホメオパシーとの濃密な関係が浮き彫りになったのでご紹介する。

・日本助産師会和歌山支部主催の講演会
平成18年5月13日、日本助産師会和歌山支部主催の講演会で、日本ホメオパシー助産師協会会長の鴫原操が講演を行った。

・日本助産師会大阪府支部主催の講演会
平成18年、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)会長の由井寅子が講演を行った。
平成19年にも由井寅子の講演が行われている。

・日本助産師会東京都支部主催の講演会
平成19年、日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)会長の由井寅子が講演を行った。

・日本助産師会大分県支部研修会
平成20年11月3日、日本助産師会大分県支部研修会が行われた。イベント会場において、「ホメオパシーコーナー」が設けられた。

・兵庫県助産師会主催によるホメオパシー講演会
平成20年3月19日、兵庫県助産師会主催による鴫原操、由井寅子両氏の講演会が行われた。

・日本助産師会広島県支部による研修会(講演会?)
平成20年、「出産とホメオパシー」という研修会(講演会?)が行われた。

助産院は安全?の、
お子さんが亡くなってしまいました
ホメオパシー、レメディの問題>K2シロップの件
「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴
その他、こちらのブログを「ホメオパシー」で検索すると、沢山の情報が得られます。(5つずつしか出てきませんが、「次のページ」を繰っていくと続きを見れます。)

今回の提訴は民事訴訟ですが、刑事事件になった場合には…
予見可能性…あり
予見義務…あり
結果回避可能性…あり
結果回避義務…あり
でしょうから、とりあえず公判を維持できる可能性は十分ありそうです。本来は、専門家の判断を厳しく追求することには慎重にすべきとい考えていますが、この件は刑事も有り、むしろそれが妥当かと思います。科学的に十分根拠のある最低水準の治療法を、非科学的な根拠をもって故意に排除した結果、死亡という結果を招いていますからねぇ…

「そもそも業務上過失致死罪の存在に反対」する私がこのように考えるのは、私の考え方にブレがあるからなのでしょうかね?

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コメント

  • ブレはない、とはっきり申し上げます。
    この事件は、過失ではないじゃないですか。
    故意に、本来なすべきことをしなかった。それも、母子手帳に虚偽の記載までしている。
    プロとして当然なすべきことを、故意にしなかった結果として、乳児が脳内出血を起こして死亡したという事件。
    弁護士さんのブログには「「未必の故意」と紙一重である「認識ある過失」のレベル」とも書かれていましたが、過失と言われても、私ら法律家ではない人間には非常に違和感を感じてしまう。
    過失じゃない、故意じゃないか!

    2010年7月15日 | Anonymous

  • <<<助産院は安全? いや危険です>>>

    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/images/s0905-7f1.gif

    50年前、分娩場所が助産所や自宅から、病院や産婦人科医院(診療所)に代わり、母体死亡率が激減してます。

    半世紀前に戻るのか????

    2010年8月16日 | Anonymous

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