令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
医学的裏付けが必要ってことですか?
2021年7月13日
令和3年7月12日、東京地裁医療集中部で傍聴した美容外科の医療訴訟第1回弁論期日のことです。表題の発言は原告代理人から発せられたものです。以下、傍聴メモですが、一字一句正しいわけではないことにご留意ください。
裁判長) 原告は、手術によって何がどうなったことが問題なんですか?
原告代理人) それは準備書面で主張します。
裁判長) 口頭で簡単に…
原告代理人) 顔に穴があいた。頬骨のところがつながっていない。通常くっつくんですが、くっついていない。
裁判長) 過失としては何が問題なんですか?訴状には見出しだけ書いてあるんですけど。過失の具体的な対応というか。何をすべきだったか。
原告代理人) 間隙を作らないように切除すべきだった。ワイヤー式接着の術式を選択したが、プレートを使うべきだった。
裁判長) 医学的裏付けはあるんですか?
原告代理人) 医学的裏付けが必要ってことですか?
(筆者途中退席、一瞬別の法廷へ)
裁判長) 治癒不能の障害で精神的損害、慰謝料として300万円?
原告代理人) そうですね。
裁判長) 被告両名の関係は? 法人は715条使用者責任で、個人の方は709条ということですか?
原告代理人) ・・・はい。
裁判長) 遅延損害金計算の起点間違ってますよね? 令和○年○月○日となっているのはなぜですか? 医療行為の前ですよね。
原告代理人) 間違いです。
裁判長) どう直すかによって今の民法か旧民法か、そのあたりもきちんと訂正してください。
裁判長) 甲A1号証なんですが、見ても何のことか全然わからないんですけど。訴状訂正申立書で、○○医師が説明らしいですが、この画像の何をさしてどう言ってっているのか全然わかりません。
筆者感想: 「医学的裏付けが必要ってことですか?」には度肝を抜かれる思いでしたが、原告側の主張に沿った意見が医師から出ているのかも知れず、結果まで気にしておきたいと思いました。