令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
てんかんの方への運転免許発給
2012年4月13日
てんかんの患者さんによる自動車死亡事故が起きました。
個別の事故のことはさておき、一般的な話をします。
てんかんを持病とする方への免許証が発給されるようになったのは、服薬治療で発作が抑制されていれば大丈夫だから、という理屈のようです。
ところが、そのてんかん治療に用いられる薬の説明書きには、「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。」と書かれているというのです。
ということは、発作を抑えようとその薬を飲めば、今度はその薬を飲んでいることによって自動車運転をすべきでないことになります。
てんかんの方が謂れのない差別を受けることは問題ですが、それはそれとして、上記のように危険が予見できるにもかかわらず、厳密な認定を経ずに運転免許を発給することには、大きな問題があると思います。
もし医師が、薬の説明書に背く指導をして、それにより事故を起こすようなことがあれば、被害者から厳しく責任を追求されるであろうことが、昨今の医療訴訟の流れから容易に想像されます。
私は眼科医ですが、視力だって0.7以上でなければ免許が発給されない仕組みになっているのです。てんかんの方への運転免許の発給については、その方法の見直しがされるべきところだと思います。
参考: うろうろドクター先生のブログ