令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
宮川光治最高裁判事、本日退官
2012年2月27日
先日、光市母子殺人事件最高裁判決で、破棄差し戻しの反対意見を書いたことで一躍有名になった、弁護士から最高裁判事になった宮川光治裁判官が、本日退官です。それ以前にも、学校行事での国歌斉唱の不起立問題の事件では、処分に反対する意見を書く等で耳目を集めました。それらの事件に対する判断は、私には荷が重いので、評論を控えざるを得ません。
私にとっては何と言っても、日航機ニアミス事故の最高裁決定の補足意見で、「緊張感をもって,意識を集中して仕事をしていれば,起こり得なかった事態である」と書いたことが衝撃的でした。他の判決文での宮川判事の文章は、私にとっては判決文よりも、弁護士が裁判所に提出する準備書面を思わせるものでした。判決文を書く訓練を受けていない者が、いきなり司法の最高機関である最高裁の判事になるという今の仕組みに問題はないのかと、強い疑問を抱かせる事件でした。同じようなことは他の組織では到底あり得ないことでしょうから。
なにはともあれお疲れさまでした。退官を喜ばしく思います。
コメント
宮川先生こそ冷めた頭と温かな心をお持ちの極めて優れた人格者とお見受けしました。
先生が退官された後の最高裁に、一抹の不安を覚えます。勇気を持ってご自身の判断を明確にされましたことに胸打たれました。
2012年3月28日 | ひとみ