カテゴリー「医療問題」の記事

もう限界です、産科医療は崩壊します。

2006年12月11日

大阪のある産婦人科の、産科廃業のお知らせ
既にあちこちの施設で分娩医療の廃止が進んでいますが、これほどに本音で語ったお知らせを見たのは初めてです。このような宣言をするほどの危機的状況を作った主な原因としては、司法の不当な判断、検察警察の不当な介入、行政の悪政などがあげられます。さらに激変は来年の4月に来るだろうというのが医療関係者の予測です。産科閉鎖→周辺産科の負担増→周辺産科閉鎖→… というお産ドミノが、年度末の異動の季節をを機に一気に進むだろうということです。もう、駄目です。WHOが世界一と認めた日本の医療は、勘違いしている人々によって潰されていきます。皆さんがもし医療崩壊のために困ったことがあったら、勘違いしている司法、検察警察などを非難してください。

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産科医が訴えられるとき

2006年5月1日

産婦人科残酷物語II : true story

感動的な母親救出劇です。この件では、医者はヒーローです。

しかし、もし母親が助け出されていなければ、遺族に訴えられていたかも知れません。業務上過失致死で刑事罰を受けるハメになるかもしれません。

いや、助け出されても、「子宮を摘出されるなんて聞いていなかった」などと言って訴えに出るような人も世の中にはいるようです。

先日、三重県尾鷲市の病院で、産婦人科医が年俸5000万円超で雇われたそうです。

24時間365日、心の休まる暇もなく精一杯やっても、なおかつ訴えられてしまう危険にさらされ続ける仕事を、あなたは年俸5000万円なら引き受けますか?

それがたとえ医者の仕事でなくても、僕なら絶対に引き受けませんね。

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現実の対応

2006年3月11日

逮捕された産婦人科の医者が起訴されました。

将来的には、今回のような愚挙が起こらないように議論を重ねて法律を整備すべきでしょう。

しかし今の時点では、産婦人科医として分娩を扱うということは、常に逮捕・起訴の恐怖を味わいながら生きていくということです。

自分の人生を棒に振らないためには、事態が改善するまで、勤務医の場合は休職する、開業医の場合は休院する。

そう考えるのが普通だと思います。

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医者、怒る

2006年3月6日

以下の愚挙に対して、既にいくつかの団体から声明が出ていますが、神奈川県産科婦人科医会の発表(表紙はこちら)が、最も簡潔にまとまっていると思います。この問題は、日本の医療の様々な問題点が絡んで噴き出たものと考えられますが、私も気力があれば引き続き書きたいと思います。

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医療崩壊

2006年2月20日

産婦人科医が逮捕

本当に大変なことになっています。産科医療(というか医療全体)の崩壊がすぐそこまで来ています。こんな微妙な判断の治療で、犯罪的に実行したことでもない治療で逮捕されて、医者の間では「産婦人科はもうヤメだ」という声が渦巻いています。普通に仕事しても結果が悪ければすぐ1億2億の訴訟だったり、果ては 逮捕で、誰がやりますか?

ちなみに38歳の私の年俸は、目医者5年目で720万円。1億2億の訴訟にいつでもぶち当たる仕事であることを考えると、安い気はしますね。24時間休む暇のない産科や小児科ならなおさらです。産科小児科 医は減って当然です。

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