現実の対応

2006年3月11日

逮捕された産婦人科の医者が起訴されました。

将来的には、今回のような愚挙が起こらないように議論を重ねて法律を整備すべきでしょう。

しかし今の時点では、産婦人科医として分娩を扱うということは、常に逮捕・起訴の恐怖を味わいながら生きていくということです。

自分の人生を棒に振らないためには、事態が改善するまで、勤務医の場合は休職する、開業医の場合は休院する。

そう考えるのが普通だと思います。

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医者、怒る

2006年3月6日

以下の愚挙に対して、既にいくつかの団体から声明が出ていますが、神奈川県産科婦人科医会の発表(表紙はこちら)が、最も簡潔にまとまっていると思います。この問題は、日本の医療の様々な問題点が絡んで噴き出たものと考えられますが、私も気力があれば引き続き書きたいと思います。

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医療崩壊

2006年2月20日

産婦人科医が逮捕

本当に大変なことになっています。産科医療(というか医療全体)の崩壊がすぐそこまで来ています。こんな微妙な判断の治療で、犯罪的に実行したことでもない治療で逮捕されて、医者の間では「産婦人科はもうヤメだ」という声が渦巻いています。普通に仕事しても結果が悪ければすぐ1億2億の訴訟だったり、果ては 逮捕で、誰がやりますか?

ちなみに38歳の私の年俸は、目医者5年目で720万円。1億2億の訴訟にいつでもぶち当たる仕事であることを考えると、安い気はしますね。24時間休む暇のない産科や小児科ならなおさらです。産科小児科 医は減って当然です。

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55歳の主婦が群馬大学医学部を不合格になった真の理由(推定)

2005年7月11日

群馬大学医学部サイト内の学士編入学FAQに、入学後の家庭教師アルバイトに関して「勉学に差し支えないようにするには、週1回日曜日に行うくらいが限度」と書いてある。

一方、東京新聞の特集によれば、この主婦が群馬大学を選んだ理由が「週末には帰ってきて家事ができる距離に」あるからというのである。

先のFAQは学士編入学に関するものであって一般枠のものではないとはいえ、群馬大学医学部側が「ハードな勉強に耐えられるか」を意識していることが良く分かる。しかるにこの主婦は、「週末には東京の実家に帰って家事をする」などと言ってはばからないのである。こんな了見では群馬大学の判断基準の元では合格できるわけがない。年齢以前の問題である。

だれかこの主婦に、以上のことを知らせて差し上げられないものだろうか。

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群馬大医学部は蛮行をしたのか?

2005年7月10日

群馬大学医学部を受験した55歳の主婦が、学科試験の点数が合格者の平均点を上回っていたのに不合格になった。その主婦が「年齢を理由に不合格にされた」と、入学許可を求めて提訴したという。

意外や意外、ウェブを回っていたら、この主婦を擁護する意見が続出している。

私は、この主婦は敗訴すると思う。

この主婦の主張の最も弱いところは、入試科の担当者が「個人的見解」として述べた「卒業時の年齢を考えたとき社会に貢献できるかという点で問題がある」という言葉を、あたかも入試担当者の公式見解であるかのように曲解している点である。

そして、公式見解が裁判で明らかになるのか否かは不明だが、なったとしても「年齢」という言葉を出してくる可能性がまずないだろう。

さらに入試要綱には「学力検査・面接・小論文の成績ならびに調査書を総合して判定する」と明記されているのである。

端的に言って、まともな裁判にならないのではないかと思う。

続きは後日に。

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