令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
「患者の自己申告を信じるな」
2007年12月9日
患者さんが持っていた母子手帳の記載を信じて診療行為を遂行したら医療事故が起こり、実はその母子手帳の記載が間違っていたことが判明したという事例。
患者さんの中には、何らかの検査をしようとすると、「この間検査したばっかりなのに、またするのか」と言い出す人が時々いるけど(これを読んでるあなたもそう思うことありませんか?)、相当重要度が高いと思われる「母子手帳」ですら信じるなということなので、必要な検査は何度でもやらねばならないことになります。
かくして医療費はどんどん増大してゆくのです。
以下、毎日新聞より。
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医療ミス:Rh不適合、乳児が黄疸 妊婦の血液検査怠る--中津の医院 /大分
中津市上宮永の産婦人科「おだクリニック」(小田高明院長)で8月末に生まれた男児が、母親の血液型の検査を怠った医療ミスで重い黄疸(おうだん)症状になり、中津市民病院に転送され、42日間入院していたことが分かった。
母親らの話によると、母親の血液型はRhマイナス。男児はRhプラスだが、小田院長は「(母親が長女を妊娠した時に作成した)母子手帳にRhプラスと書いてあるので、そう思い込んでいた」ととして、男児の妊娠時、血液型の検査をせず、母親に抗体ができるのを防ぐ「抗ヒト免疫グロブリン注射」も分娩時にしなかった。
男児は誕生翌日、黄疸がひどくなり中津市民病院に転送され入院。母親もその2日後、貧血で同病院に転送され、検査したところ血液型はRhマイナスと分かり、男児の黄疸原因はRh型不適合と判明。光線療法と輸血をした。
小田院長は母親らに「血液検査をしなかったのは申し訳ない。話し合いは誠意をもって尽くす」と話したという。取材に対し院長は「医者は結果責任がすべてです。この過失以降、自己申告などとは別にすべての妊婦の血液型検査をしています」と話した。母親は「輸血の後遺症が心配です。二度とこのような誤診をしないでほしい」と訴えた。【大漉実知朗】
毎日新聞 2007年12月8日
ニュースステーションスタッフが医療関係者でなくて良かった
2007年12月8日
ニュースステーションで不適切取材があったとのこと。
そもそもニュースステーションは字幕の誤字とか人名違いとかえらく多くて、しょっちゅうお詫びを出している。
彼らが医療関係者だったら間違いなく、いわゆる「リピーター医師」である。医療過誤を何件起こしたら済むかわからない。
そういう彼らが、医療業界をはじめ他業種のモラル批判なり業務上過失批判なりを繰り返しているわけだが、目くそ鼻くそを笑うもほどほどにしろよ。
以下、MSN産経ニュースより。
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マック改竄 テレ朝が証言者偽装
2007.12.8 00:10
テレビ朝日は7日、日本マクドナルドの調理日改竄(かいざん)問題について、11月27日放送のニュース番組「報道ステーション」に証言者として登場した女性が、番組の関係者で、当時すでに店をやめていたにもかかわらず、制服と店長代理のバッジを着けて出演していたことを明らかにした。同夜放送の番組内で古舘伊知郎キャスターは「視聴者に混乱と誤解を与えるもの。間違ったやり方だった。申し訳ない」と謝罪した。
この女性は、顔を隠したうえで赤白ストライプの制服姿で元店長代理として登場し、サラダの調理日に改竄があったという内容の証言をしていた。しかし、放送直後から、インターネットなどで「元店長代理がバイトの制服を着ているのはおかしい」「モデルチェンジ前のユニホームでは」などと疑問視する声が出ていた。同社にも視聴者から、おかしいと指摘があったという。
女性は番組の関係者で、収録を担当したスタッフは社内調査に対し「無理強いしたわけではない。相談してそういう形がいいでしょうと提案した。制服のほうが証言者としての真実味が増すという狙いだった」などと説明したという。
同社広報部は「視聴者に誤解を与えたが、証言そのものは改竄を裏付ける真実だととらえている」としている。
マクドナルドの改竄問題は、都内の4店舗で売れ残ったサラダの調理日時のシールを翌日のものに貼り替えていたことなどが判明。同社の原田泳幸会長兼CEOが記者会見して謝罪した。その後材料に賞味期限切れのものが使われていたことなどもわかった。
「僕は韓国人じゃない!」 (2002年頃の思い出話)
2007年11月23日
70歳くらいのおばあさん患者さん。思い込みが強く話が噛み合わない人だった。
病状は可哀想なものだった。何ヶ所かで眼の手術を受けたが結果が思わしくなく、このたび私のいる病院に受診したのである。ところが手術を受けた他の病院の紹介状などの情報は全くなし。
「だから、手術を受けた病院で、紹介状を書いてもらったほうがいいです」
「おかしなことを言う先生だー、あんなところにどうして行くの?」
「そのほうが、これまでの治療や今の眼の状態がわかって、これからの治療にいいんですよ」
「その必要はないですよ、私はここに来たのだからここで見てください」
「いや、だからここで診るにしても紹介状がないとこれまでにどんな治療をしたか分からないので…」
「それが分かる必要がどこにありますか? 今見れば分かりますよ!」
こんなやり取りが延々と繰り返された。どうにも面倒になってきた頃、その患者さんの日本語の発音が少しおかしいことに気づき、カマをかけてみた。
「…혹시 한국분이 아니십니까?」 (…もしかして韓国の方ではないですか?)
これを聞いたおばあさん、口あんぐり。そして開口一番
「아니, 당신도 한국사람이노?」 (なんと、あんたも韓国人か?)
「아뇨, 저는 일본사람인데 한국말을 조금 배운겁니다.」 (いえ、私は日本人ですが、韓国語を少し習ったので。)
「아냐, 당신 한국사람이다. 이런데서 한국사람을 만난다니…」 (いや、あんたは韓国人だ。こんなところで韓国人に会うとは…)
「いやいや、私は日本人で…」
「아이 됐어. 말하지 말아~ 한국말 배우는 일본사람이 없어!」 (もういいって。皆まで言うな、韓国語を勉強する日本人なんていないよ!)
すっかり在日韓国人と信じて疑わないのである。
しかしいつまでもバカな会話をしているわけにもいかず、「とにかく…」と、また紹介状の話に戻ったのであるが、そこからまた延々と「紹介状を書いてもらうべし」「いやその必要はない」の押し問答である。
で、その再度の押し問答がひとしきり交わしたのちに、また言うのである。
「ほんとにおかしなことを言う人だ… まあ 한국사람을 만나니까 반갑기는 하는데…」
(まあ韓国人に会ったんだからめでたいといえばめでたいが…)
「いやいやだから僕は韓国人じゃなくて…」
「말하지 말어~ 당신 한국사람이야!」 (言わんでよい、あんたは韓国人だ)
ということで、会話は全くかみ合わないまま時間が過ぎ、無理矢理診察を終了させたのであった。
福島県民をバカにした扱い
2007年11月20日
なにやらフグスマ県で、当番病院は満床だろうがなんだろうが患者を受入れることになったんだそうな。
聞こえはいいけど、ベッドも空いていないのに受入れれば患者さんは待合のベンチか何かに寝かされるしかないし、ベッドが空いていても治療に必要な医者や看護師がいなければ放っておかれるしかないし、ベッドが空いていて人員が足りていても、必要な医療機器が全て使われきっていれば出来ることと言えば祈祷くらいしかないし… そうなることが分かっていても全員を受入れろなんてそんな無責任な!!と思わずにはいられませんです。
さらに言えば、そんな無茶な号令をかけられたら、無理でも無茶でも受入れなきゃいけない医者たちが、そんな無茶な号令体制に嫌気がさしてますますやめていくでしょう。患者さんたちが望んで止まない充実した医療をハナから諦めろ、ということを上が是認しているわけですから…
無制限に受入れるなんて囚人じゃああるまいし、それを全部受入れて無理やり全部診ろなんて、奴隷じゃあるまいし…
フグスマには春は当面来なさそうなので、それなりの医療を受けたい人は、フグスマから亡命したほうがよさそうです。
尤も、亡命先にもろくなところがないんですがね…(苦笑)
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福島・救急搬送受け入れ拒否:当番病院が受け入れを 輪番制運営協が方針 /福島
福島市内の交通事故で負傷した女性(79)が救急搬送の際に4病院から受け入れを断られ、その後死亡した問題を受け、市内10病院や市消防本部などで構成する「市救急医療病院群輪番制運営協議会」(会長、有我由紀夫・大原綜合病院院長)の臨時協議会が19日、同市内で開かれた。今後はどんな状況であれ、夜間の救急指定の当番病院が原則的に、救急患者を受け入れる方針を決めた。
協議会の冒頭で有我会長は「医療人としての心構えなどを検証し、市民が不安にならない医療体制を構築していきたい」とあいさつ。会合は非公開となったが、4病院からの事実確認では「集中治療室(ICU)が満床だった」などの理由が報告されたという。
有我会長は会合後の会見で、今回の事態で「1時間も医師が患者に接していなかったことが問題」と指摘し、今後は当番病院が最初に診察することを原則とし、その上で設備の整った県立医大付属病院への転院などを検討する体制を明らかにした。有我会長は「ICUが満床であることは(受け入れ拒否の)理由にならない」としながらも、「医師のマンパワーが不足しているのは明らか。今後も行政と一つになって、体制確保に努めていきたい」と話した。【松本惇】
毎日新聞 2007年11月20日
『目の薬師』新井薬師さんで厄除け
2007年11月18日
思うところあって新井薬師さんに厄除けをお願いに出かけた。新井薬師さんは東京都中野区にある薬師さんである。
30分に及ぶ厄除け法要が終わると、足を抱えてのた打ち回る人が多数出現。筆者も同様。
ところで新井薬師さんは眼病治癒にご利益があるという。ホームページによると、江戸時代に「特に、二代将軍秀忠公の第五子和子の方(東福門院)が患った悪質な眼病が、祈願して快癒したことなどから「目の薬師」と呼ばれ、」ということだ。どんな眼病だったのだろうか。
さて、目医者の私としてはそのご利益を受診される皆さんにもとの思いで、診察室に置くためのお守りを頂いてきた。
こういうものが診察室においてあると、患者さんは却って驚くかもしれないが(笑)、気は心だから、まあいいや。
薬師さんから続く小さな商店街は「薬師あいロード」。シンボルマークも目をモチーフに作られている。
以上、『目の薬師』新井薬師さんへのプチ旅行でした。