令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
REMEMBER 2.18 ~第2章~
2008年2月18日
福島大野病院事件で医師が逮捕されて2年がたちました。
「癒着胎盤の経験もなく、帝王切開で女性を死に至らしめた」との容疑で医師が逮捕され刑事訴訟になり、長い時間をかけて結審に向けて動いています。
刑事裁判でのやり取りを読めばわかりますが、逮捕された医師になんら落ち度はなく、女性は出産にまつわる自分自身の病気が原因で亡くなったのであることがほぼ確実です。
http://lohasmedical.jp/blog/2007/11/101.php
例えば、大怪我をした人が病院に駆け込んだからといって、必ず助かるものではないですし、ほかの病気だって同じことです。病気というのはそういうものです。医師の努力むなしく命を落とすことなど日常茶飯事です。
要はこの事件もそういうものだったということです。それを医療過誤だと糾弾され、逮捕・起訴されるようでは、医療行為などというものをやる人がいなくなるのは当然と言えます。
この女性の死亡原因究明はなかなか難しいところがあるようですが、逮捕された医師の医療行為が妥当であったことは、学会シンポジウムなどで検討すれば、それこそ十数分~数時間程度で明らかになる簡単なものだったと思われます。
ところがそんな簡単な結論を出すのに、逮捕・起訴して何年も裁判に時間をかけて、当該医師の医師生命を縮めて、その他大勢の医師を恐怖に落とし入れたため、危険を伴う分野から医師が逃げる結果となり、医療崩壊を急速に推し進めました。当の福島県では、県立病院からついに産婦人科が完全撤退することとなったそうです。
それにも関わらず亡くなった女性の遺族は、終盤に突入した法廷ですら、
「言い訳や責任転嫁せず、何をミスしたかを真正面から受け止め、責任を取ってほしい」
「なぜ妻が死んだのか疑問に思う。自分の行動・言動に責任を持つのは大人の人間として当然のことだ」
「○○先生の行為は許せない」
などと、相変わらず医師を非難するばかりなのです。これらの発言が、事件を見守る全国の医師をさらに激怒させています。
女性が亡くなられたことは本当に残念なことですが、医療は病死を完全に防げるものではありません。いまだに医師の責任を追及しようという遺族には、病死であることを認めることなく医療過誤だと誤信して、警察に相談して逮捕・起訴に結びつけ、今の医療崩壊の最大の引きがねを引いた責任を取って欲しいとすら思います。
一方検察の振る舞いについては、昨年も書きましたが最後まで監視し続ける必要があります。また、実名公開される刑事事件にならって、この事件を起こした人物として、当時の福島地検の最高責任者であった宮成正典(みやなり まさのり)検事正の名前は、記録しておいて良いのではないかと思います。
また、この事件で医師が逮捕・起訴されることが不当であったこと、そしてこの遺族の態度が医療崩壊の原因になっていることを、医療関係者でない一般の人々が理解しない限り、現在進行中の医療崩壊は止まることはないと言っても過言ではないと思います。
次はあなたが医療崩壊の影響を受ける番かもしれません。
コメント
福島大野病院事件から2年
『我々は福島大野病院事件で逮捕された
産婦人科医師の無罪を信じ支援します。 』
2006.2.18
この日は、医療関係者にとって�…
2008年2月18日 | 健康、病気なし、医者いらず
あれから2年
2.18企画 【新小児科医のつぶやき】 共通メッセージ: 我々は福島大野病院事
2008年2月18日 | ある産婦人科医のひとりごと
[忘れない・・・]2.18企画 我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じ支援します
今日は二年前の「福島県大野病院の産科医の不当逮捕」の日であります。産科医として正しい治療を行ったのに、刑事事件として書類送検ではなく逮捕され不当な取調べを受け、その病院から産科診療を停止させた福島県警の事件です。 テレビカメラを呼んでの医師の逮捕劇はあきらかに「異常」でした(誰がテレビカメラを呼んだのかは知りませんが、マスコミは喜んで取り上げましたね)。これは海外ではありえません、日本はこの件だけで、法治国家ではなく「法痴」国家です。医療ミスがあったら民事訴訟となるのは仕方ありませんが、今回は「刑事事件」としたのです。 刑事罰となるのは、「医療行為そのものが、悪意によってなされた場合」にのみですが、この医師は全身全霊をかけて患者を救うために努力をしました。それを捕まえた法曹界に対し、医師たちは「団結」して、この不当な司法の介入に抗議しつづけます。 「胎盤癒着」という、極めてまれで難しい症例の産婦さんを担当し、救命できなかった廉で福島県警に逮捕されました。現在も刑事裁判は進行中です。 現在、日本全国で、お産の出来る病院が激減しています。この逮捕が与えた悪影響を考えない法曹界の悪意を感じます。 少子化の日本では、産科医は大切な存在です。医学的事実を無視した警察の手によって、1人の熟達した産科医が現場から引きはがされているだけでなく、この事件の影響で、全国のお産の現場から、医師が立ち去り、産科志望の若い医師が減っています。 不幸な病死がすべて、「医師による過失死」だと認められるようなことがあれば、日本のすべての医療現場で、命に関わる治療を懸命に続けている先生達は、やがて立ち去らざるを得なくなるでしょう。(一部天漢日乗さまの文章を改変しました)—————————-賛同ブログ新小児科医のつぶやき産科医療のこれからななのつぶやき君の瞳に恋して…
2008年2月18日 | 東京日和@元勤務医の日々
2月18日に記す
新潟大学産婦人科教授 田中憲一先生 不遜な文言を、どうかお許し下さい。 先生が、福島県立大野病院事件の検察側証人になられてから、生活が一変したのではないでしょうか。産婦人科の狭い世界で、居づらい思い…
2008年2月18日 | ななのつぶやき
2月18日に記す
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2008年2月18日 | ななのつぶやき
もう2年になります。
福島県立大野病院産科医が逮捕されてからもう2年になります。
まずは、亡くなった産婦さんに、心から哀悼の意を捧げます。
大まかな流�…
2008年2月18日 | 患者と医者をつなぐもの~よっしぃの独り言
もう、2年になります
福島県立大野病院産科医が逮捕されてからもう2年になります。まずは、亡くなった産婦さんに、心から哀悼の意を捧げます。大まかな流れは、福島県立大野病院産科医逮捕事件を参照ください。そして、なな先生のこの…
2008年2月18日 | よっしぃの独り言
医学史上最悪の刑事事件ー医療者のこころの傷は消えない
2004年2月18日・・・我々はこの日を忘れない。 医療が司法に蹂躙された、歴史的な日である。検察と報道テロリスト達の「無知」という「ムチ」は、手錠につながれた担当医師の人生を粉々に打ち砕き、医療の…
2008年2月18日 | さあ 立ち上がろうー「美しい日本」にふさわしい外科医とは
我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します。
よっしぃの独り言
新小児科医のつぶやき
の呼びかけで始まったこの企画
ですが、僕も強く賛同します。
また、大変多くのブログがこの企画に賛同しているようで、うれしく思っています。
僕が書きたかったことは、以前、先走って書いてしまったエントリー
で、書い
2008年2月18日 | 健康データ解析日記
今日は2月18日
2008年2月18日 | ほねまであいして@奴隷院長の日々
今日は2月18日
2008年2月18日 | ほねまであいして@奴隷院長の日々
あれから2年
我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じ支援します。
K先生の突然の逮捕から2年が経ちました.
公判も既に12回を終えました.
実際に傍聴に行くことはできないけれど,
お忙しい中,時間を割いて公判の傍聴に行き,
ネット上で報告してくださる方々のおかげで
公判の詳しい様子を知ることができます.
読むのがつらい傍聴記もありました.
それでも毎回読んでいます.
K先生が逮捕されてからの報道や詳細な公判の傍聴記を読むと
なんだかいつも胸の中にもやもやしたものが残ります.
先日,大好きななな先生のブログを読んで
そのもやもやが形…
2008年2月19日 | 読影室の片隅から