令和4年3月11日: 東日本大震災トリアージ訴訟を掲載
とある老人病院の眼科で
2007年3月21日
今日は眼科の専門的な話で、眼科以外の人にはちんぷんかんぷんであろうと思われる話をしてみる。
私はいわゆる老人病院で、週一回午前のみ眼科診療をしている。2年前に前任者から引継いだ。
その眼科の設備がすごかった。
赴任時に既に存在したもの
検眼レンズセット、視力表
スキア2組(!)
細隙灯(数年前にはなかったらしい)
ハンドスリット
レンズメーター
スクリノスコープ(!)
直像鏡(ただし点灯しない)
倒像鏡
瞳孔間距離計(!)
フリッカー2つ(!!)
シェッツ眼圧計3つ(!!!)
トノペン(!!)
あるけれど困っているもの
ゴールドマン三面鏡、接眼部径推定13mm。小型すぎて眼球に当てると角膜が皺になってよく見えない
赴任時になくて困ったもの
非接触前置レンズ
オートレフラクトメーター
非接触眼圧計
その後、
非接触前置レンズ(スーパーフィールド)は、そう値の張るものではないので、病院側ですぐ購入してくれた。
オートレフラクトメーターは絶対必需品と口説いたら病院側で購入してくれた。
非接触眼圧計は、週1回午前のみの老人病院にはさすがに贅沢であろうと思われたため、諦めていたのだが、ふとした思い付きでyahoo!オークションで「眼圧計」を検索したらなんとヒット、破格値で使用できる状態に整備できた。
視野計はさすがに無理だが、結構いい環境で診療できている。ただし医者一人看護師一人の二人体制で、視力も眼鏡処方も自分でやるので大変だ。非接触眼圧計が導入されるまでは、検診などの眼圧も全てアプラネーションで自分で測っていた。
おててのしわとしわをあわせて、しあわせ
2007年3月4日
昔からやっているコマーシャル。
しわとしわをあわせても「しわあわせ」にしかならない。本当は、「おゆびのふしとふしをあわせて、ふしあわせ」のほうが正しいと常々思う。
REMEMBER 2.18
2007年2月18日
2月18日。ちょうど1年前に、福島で産婦人科医が不当逮捕に遭った日です。その後起訴され、現在ようやく裁判が本格的に始まったところです。
法曹の方が集まるブログを見ていると、法曹の方の中にもあの逮捕、起訴は間違いだったと考える人がいるようです。医療者が、福島の不当逮捕を例に挙げて、これだから法曹は…というと、法曹の方の中には、あの逮捕は例外中の例外であって、いつまでもあの逮捕を以って法曹を責めるのは宜しくないという人もいるようです。
しかし、世の中の常識としては、これだけ重大な事件を起こしておいて、それが間違っていたと思えば、記者会見の一つもして間違いで遭ったことを明示し、原因究明と対策策定の約束をして、ようやく贖罪に緒がつくというものです。
警察検察のありようから、そのようなことが出来るわけがないのは、わかる気がします。しかしそれが出来ないのであれば、医療者が問責を継続することをたしなめる説得性は法曹にはありません。そもそも、判決という結論がまだ出ていないのですから。
無罪判決が出て、検察が控訴断念するまで、医療者は常に福島不当逮捕事件を想い続けたいものです。
斜めから見た現代産婦人科事情
2007年1月17日
一世を風靡した「吉野家コピペ」に乗っけた、現代産科風景を作ってみた。
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昨日、近所の産科病院行ったんです。産科病院。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか張り紙が出てて、助産師が内診します、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、助産師の内診如きで普段来てない産科病院に来てんじゃねーよ、ボケが。
助産師だよ、助産師。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で産科病院か。おめでてーな。
よーしパパ分娩立ち会っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、自宅に助産師派遣してやるからその席空けろと。
産科病院ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
産科医と内診台に乗っている奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。旦那子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、水中分娩で、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、水中分娩なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、水中分娩、だ。
お前は本当に水中分娩をしたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、水中分娩って言いたいだけちゃうんかと。
産科病院通の俺から言わせてもらえば今、産科病院通の間での最新流行はやっぱり、
全身麻酔下帝王切開、これだね。
自己血貯血して全身麻酔下帝王切開。これが通の頼み方。
全身麻酔下帝王切開ってのは出産トラブルが少なめ。そん代わり腹に傷が残る。これ。
で、それに自己血貯血。これ最強。
しかしこれを頼むと次から産科医にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、助産所でも行ってラマーズ法でもやってなさいってこった。
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筆者がこういう考え方をしているというものではなく、あくまでも吉野家コピペの原作者ならこう考えたのではないかと思ったところを表現したものである。
もう限界です、産科医療は崩壊します。
2006年12月11日
大阪のある産婦人科の、産科廃業のお知らせ
既にあちこちの施設で分娩医療の廃止が進んでいますが、これほどに本音で語ったお知らせを見たのは初めてです。このような宣言をするほどの危機的状況を作った主な原因としては、司法の不当な判断、検察警察の不当な介入、行政の悪政などがあげられます。さらに激変は来年の4月に来るだろうというのが医療関係者の予測です。産科閉鎖→周辺産科の負担増→周辺産科閉鎖→… というお産ドミノが、年度末の異動の季節をを機に一気に進むだろうということです。もう、駄目です。WHOが世界一と認めた日本の医療は、勘違いしている人々によって潰されていきます。皆さんがもし医療崩壊のために困ったことがあったら、勘違いしている司法、検察警察などを非難してください。