積の法則の応用


問題

赤・青・黄の札が4枚ずつあり,どの色の札にも1から4までの番号が1つずつ書かれている。この12枚の札から無作為に3枚取り出したとき,次のことが起こる確率を求めよ。

(1)         全部同じ色になる。

(2)         番号が全部異なる。

(3)         色も番号も全部異なる。

「全部同じ」とか「全部異なる」ときの確率計算は,基本的にはCとかPとかを使って考えるものだが,この問題のように札の枚数が色についても数字についてもそろっているときは,順番に引くことを考えて,次々に確率をかけていくほうが速く計算できることが多い。

(1)

1枚目は何が出ても大丈夫だ(確率でいえば,1ということ)。2枚目をひくときには,全体の残りは11枚で,そのうち1枚目と同じ色は残り3枚だから,2枚目が1枚目と同じ色である確率はだ。その上で3枚目も同じ色になる確率は,全体の残りが10枚でそのうち同じ色の残りが2枚だから,だ。答はこれらをかけ合わせてというわけである。(最初の1はかけなくてもかまわない)。

(注: 1つの集合の中からいくつか取り出すとき,途中でもとに戻さないのであれば,一度に引いたと考えても,1つずつ引いたと考えても結果は同じである。(くじ引きを引くとき,一度に3枚引いても,ゆっくり順番に3枚引いても,当たる確率は同じだ。))

(2)

(2)も考え方は(1)と似たようなものである。まず,1枚目は何が出ても大丈夫。2枚目は1枚目と違う番号でないとだめだが,全体の残りは11枚でそのうち1枚目と違う番号は残り9枚なので,2枚目が1枚目と違う番号である確率はである。その上で3枚目も同じ色になる確率は,全体の残りが10枚でそのうち1枚目とも2枚目とも違う番号は残り6枚になるから,というわけだ。従って答はとすればよいわけだ。

(3)はちょっと複雑なので,表を作ってみよう。

1枚目は何が出ても大丈夫だが,ここでは仮に「赤の2」を引いたとしよう。

 
     
       
       

次に2枚目を引くときに,残っている札のうち色も番号も違う札の枚数は,下の表の白抜きの部分だけだから,6枚ということになる。結局,2枚目が1枚目とは色も番号も違う確率はになる。

 
     
       
       

ここでは「青の3」を引いたとしよう。

 
     
     
       

 そして3枚目を引くときには次の表のように,1枚目や2枚目とは色も番号も違う札は残り2枚になっているので,それを引く確率は

 
     
     
       

というわけだ。

 全部をかけ合わせると,となって,これが答というわけだ。

答案には次のように書けばよい。

解答

練習問題

1組52枚のトランプから,3枚を一度に抜き出すとき次の確率を求めよ。

(1)       すべて絵札となる確率。

(2)       スート(スペード・ハート・クローバー・ダイヤ)がすべて異なる確率。

(3)       スートも記号(A,2,3,……10,J,Q,K)もすべて異なる確率。

(4)       スートも記号もすべて異なり,すべてが絵札である確率。


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