新島骨折見逃し訴訟

(事件番号:平成16年(ワ)第19375号、東京地裁判決平成17年12月××日)

「本件は、石材の切断作業中に右手中指を骨折した原告が、被告が開設する診療所の医師が骨折の事実を見落とし、これによって作業効率が低下し、さらに左手示指を切断するに至る事故が生じたとして、被告に対し不法行為に基づき1186万4972円の損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成16年10月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。」判決文より

この訴訟では、最初の骨折を見逃した事実は被告側も認めておりその過失については争っていない。(骨折は確か関節面の陥没骨折で、新島のローテート医師には難しい?かもしれないが、とにかく 見逃し自体は過失として認めている)

争点は、最初の骨折と2回目の切断事故との因果関係になっている。一審判決では、その因果関係は認めなかったが、慰謝料のみ認めた。 原告は、最初の骨折見逃しに関する慰謝料を求めていなかったが、裁判所の判断でそれが認められた形となっている(こんなのありか?)

最後まで判決文を読み進んでいくと、「藤山雅行」の味のある署名が目に入った。

原告は控訴し、高裁判決では最初の骨折と2回目の切断事故との因果関係を認めて、賠償額は112万円あまりとされた。

原告は上告し、最高裁で上告は棄却された。

その後、賠償金支払に関するトラブルがあり、新聞で話題になった。(筍ENTの呟きから孫引きしました)


損害賠償請求控訴事件
東京地方裁判所平成一六年(ワ)第一九三七五号
平成17年12月××日民事第三四部判決
原告 ○○○○
訴訟代理人弁護士 ○○○○
被告 新島村
訴訟代理人弁護士 ○○○○

       主   文

一 被告は、原告に対して、金50万円及びこれに対する平成16年10月2日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用は、これを十分し、その一を被告の、その余を原告の負担とする。
四 第一項に限り仮に執行することが出来る。

       事実及び理由

第一 請求
 被告は、原告に対し、1186万4972円及びこれに対する平成16年10月2日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二 事実の概要
 本件は、石材の切断作業中に右手中指を骨折した原告が、被告が開設する診療所の医師が骨折の事実を見落とし、これによって作業効率が低下し、さらに左手示指を切断するに至る事故が生じたとして、被告に対し不法行為に基づき1186万4972円の損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成16年10月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

1.争いのない事実及び証拠により容易に認定することができる事実等
 (1) 原告は昭和6年生まれの男性であり、肩書住所地において新島村特産コーガ石彫刻工房を主催し、土産物販売店を経営すると共に、新聞社の通信員として働いている者である。(争いのない事実、甲A1、原告本人)
 (2) 原告は、平成13年12月4日、自宅工房において、ミニモヤイ像を製作中、石材の小型切断機に左手中指第一関節付近を接触させ、(以下「本件第1事故」という)、左中指基節骨底部骨折をし、被告が開設する新島村立国民保健本村診療所(以下「被告診療所」という)において、診療治療を受けた。原告本人を診察した被告診療所の医師は原告の左中指に皮下出血の受傷を認めたが、レントゲン撮影をしても骨折の所見は認められないとして、骨折の治療はせずに放置した。しかし、実際には左中指が骨折しており、被告診療所の医師はレントゲン写真等で容易にこの骨折の事実を発見し得たのに、過失により骨折の事実を見落とした。(以下「本件過失」という。)(争いのない事実)
 (3) 原告は平成14年9月2日、自宅工房において、ミニモヤイ像を製作中、石材の小型切断機に左中指を接触させて受傷し、さらに小型切断機に左示指内側を接触させ、左示指不全切断の障害を受けた(以下「本件第2事故」という。)(甲A7、原告本人)

2.争点
 (1) 本件過失と本件第2事故の発生との間の因果関係の有無。
 (2) 本件過失と因果関係のある損害。

3.争点についての主張

 (1) 争点1(本件過失と本件第2事故の発生との間の因果関係の有無)について

(原告の主張)
ア コーガ石の切断は、高速回転する鋭利な刃で小さな石を正確に切断しなければならないという危険かつ微妙な作業である。
 コーガ石の切断の際には、左親指、薬指、小指は石を一定の位置に固定させ、手前から前方に押して切断機の刃で切断しようとするのであるが、その際、中指、示指は高速回転する刃の位置との距離を微妙に感じ取りながら、石が切断機の刃の勢いに負けて跳ね飛ばされないよう上から押さえながら、高速回転する刃ギリギリの距離に手を置き、正しい位置で石が切断されるようにする役割を負っているのである。
 この場合、中指が正常な感覚を有していれば、長年の勘で、中指は刃と適当な距離を置いて無事に石を切断することができる。ところが、本件においては原告の中指は腫脹し、正常な屈曲ができないのに、それを忘れ、石の位置や安定度に気をとることができなくなってしまったのである。
 そのため、本件第1事故及び本件過失により盛り上がったままとなった部分が刃に接触し、その衝撃で手が刃の回転方向に引き込まれ、その結果示指を切断するに至った。
イ 被告は、中指が正常であっても本件第2事故は原告の不注意で起きたというが、中指の位置が滑ったというものではなく、中指の腫脹の事実を忘れ、通常の作業位置に手を置いたために(それまでは中指の腫脹に気を留めて作業をしていたので事故はおきなかった)本件第2事故はおきたのである。
 したがって、中指が正常であっても本件第2事故はおきたかもしれないという仮定はなんら立証されていないし、そのような思考でもって本件過失との因果関係を判断すべきものではない。
ウ よって、本件過失と本件第2事故との因果関係があることは明らかである。

(被告の主張)
 原告は平成13年12月4日の本件第1事故から平成14年4月11日に骨折が確認されるまでの間、被告を6回も受診しているにもかかわらず、本件第1事故に関する診察、治療の申し出を行わず、同月10日の原告の症状はPIP関節に腫脹は残っているものの屈曲はほぼ完全に可能であった。
 原告は平成8年7月から平成13年12月までの間に6回も外傷による治療を受けており、その注意力が散漫であることを示している。そもそも、工作機械を扱うに際して刃物の延長線上に手指を置くこと自体、著しく注意を欠いているといわざるを得ず、本件第2事故は原告自身の不注意によって引き起こされたものと言わざるを得ない。

(2) 争点2(本件過失と因果関係のある損害)について

(原告の主張)
ア 左中指に関する損害について
 原告はミニモヤイ像作品製作料として、1日当たり金2万円の収入を得ていたが、その作業効率が50パーセント低下し、1日当たり1万円の収入しか得ることができなくなった。
 この状況は平成13年12月から本件第2事故が発生した平成14年9月までの9ヶ月間続いたので、1ヶ月金25万円、合計金225万の損害を被った。
イ 左示指に関する損害について
 本件第2事故によって原告はミニモヤイ像の制作もできなくなり、長期間休業するなど下記の通り合計961万4972円の損害を被った。
入院費 19万2080円
治療費  1万8580円
入院雑費 5万4000円
交通宿泊費 29万0825円
休業損害 450万円
入通院慰謝料 77万円
遺失利益 198万9487円
後遺障害慰謝料 180万円

(被告の主張)
ア 左中指に関する損害について
 争点1において被告が主張したとおり、原告の手指に残存している屈曲障害は軽微と評価せざるを得ない。
 また、手指の外傷骨折は完全治癒を見ることが稀であることから、原告の手指に多少残っている屈曲の制限は本件第1事故それ自体により残存することは不可避であったというべきである。
イ 左示指に関する障害について
 本件過失と本件第2事故との間には何の関連性もない。
 損害額については争う。

3 当裁判所の判断

1 事実認定
 書きの項目掲記の証拠([]内の数字は証拠の頁数を示す)によれば、以下の事実が認められる。
(1) 平成13年12月4日本件第1事故の後、原告は被告診療所受診した。被告診療所の医師はレントゲンを撮影し、左中指に少量の出血、皮下出血、腫脹を認めたが、骨折はないと診断し、湿布約であるモーラスを3パック処方した(乙A1[40,41])。
(2) 原告は、その後も平成13年12月19日、同月23日、平成14年1月21日、同年2月2日、同月9日、同年3月20日と被告診療所を6回受診したが、いずれも持病の喘息の訴えによるものであり、左中指に関する主訴は行っていない(乙A1[40ないし43])。
(3) 原告は、平成14年4月10日、被告診療所を受診し、「12月頃ハンマーで左中指を叩いてしまった。骨折はないといわれたが、なおらない」と訴えた。被告診療所の医師の診察の結果、左中指の近位指節間関節(PIP関節)に腫脹が認められたが、屈曲はほぼ完全に可能であった。(乙A1[44],原告本人[6])。
 翌11日、被告診療所においてレントゲンを撮影した結果、左中指のPIP関節に骨折が認められたが、一応関節面は保たれていた(乙A1[44])。
(4) 原告は、その後も平成14年4月25日、同月30日、同年6月6日、同月23日、同年7月22日、同年8月15日、同月22日と被告診療所を7回受診したが、いずれも持病の喘息の訴えによるものであり、左中指に関する主訴は行っていない。原告は、この間もモヤイ像の製作を継続していた。(乙A1[44,45,49,50],原告本人[8])。
(5) 原告は平成14年9月2日、本件第2事故によって左示指を不完全切断した。原告は被告診療所を受診し、左示指裂創、屈筋腱断裂、指神経損傷、指血管(動静脈)損傷、中節骨開放骨折及び左中指切創と診断された(乙A1[46,50,55])。
(6) 原告はその後都立墨東病院、東京警察病院へ搬送され、同病院において手術を受けた。(甲A1,7,乙A1[46,54,55])。
(7) 原告の左中指は中手指節関節(MP関節)80度、PIP関節75度、遠位指節間関節(DIP関節)60度の屈曲が可能である(甲A8)。
 また、左中指PIP関節に約10度の伸展制限が生じている(甲A5の1ないし4、乙B1)。
(8) モヤイ像の製作について
ア 原告は、昭和50年頃からモヤイ像の製作を開始し、本件当時は、自己の工房で職人を4、5人雇いながら、新島村の土産物としてモヤイ像を製作していた。モヤイ像は、自己の経営する土産物屋や靖国神社などにおいて販売されていた。(原告本人[1,3,29])。
イ 本件の小型切断機は、石を乗せるテーブル様の作業台の中心に電動式の丸鋸が据え付けられたものである。丸鋸は台の上方に半円状に出ており、作業者に向かって手前に回転する。作業者は、作業台の上にコーガ石を乗せて、それを両手で押さえ、手前から丸鋸に向かって押すことでコーガ石を切断する。コーガ石の大きさは、長さ15センチから20センチ、高さが5センチから10センチくらいである。(甲A6の1ないし4、原告本人[12,13,20])。
ウ 原告は、両手親指をコーガ石の手前側面に添え、残りの指は丸鋸とコーガ石の上部平面に添えていた。原告はコーガ石を丸鋸に向かって押し、丸鋸の刃が指に近づくと、小指と薬指をコーガ石の奥の面に向けて伸ばし、中指と示指の先端をコーガ石の上部平面に置きつつ曲げて、刃が指に当たらないようにしていた。(原告本人[13,20,21])。
エ 本件第2事故以降、原告はモヤイ像の製作を第三者に任せており、自身での製作は行っていない(原告本人[18])。

2 争点1(本件過失と本件第2事故の発生との間の因果関係の有無)について

(1) 本件第2事故当時の左中指の状態について
 原告は、本件第1事故並びに本件過失によって、左中指の屈曲が不完全になり感覚も麻痺したと主張し、原告本人も、平成14年4月ころから現在まで、中指はDIB関節は曲がらずPIP関節は半分くらいしか曲がらないし、指の感度も劣っていたなどと供述する(原告本人[7,8])。
 確かに、上記1(3)に認定したとおり、平成14年4月10日当時に原告の左中指に腫脹が生じていたのであり、その後それに対して被告診療所は治療を行っていないのだから本件第2事故当時にも腫脹が残存していた可能性は否定できない。
 しかしながら、上記1(4)に認定したとおり、原告は左中指の骨折が確認された後も左中指に関する主訴や治療の申し出を一度も行っておらず、治療も受けていないが、モヤイ像の製作は継続していた。また原告が本件第2事故の治療のために都立墨東病院及び東京警察病院を受診した際、本件全証拠によっても左中指の腫脹ないし感覚異常が確認されたことをうかがわせる事実は認められない。
 以上の事情を総合すると、本件第2事故当時に左中指の腫脹が残存していたとしても、医師の治療を要しない程度の軽微なものにとどまるといわざるを得ない。
(2) 因果関係の有無
 原告は、上記1(8)の作業中、左中指の関節が腫れており、また屈曲も制限されていたから、左中指が丸鋸の側面に接触し、反射的に左中指を握って刃を避けようとしたが、示指だけは完全に握れなかったため、丸鋸の刃で切られたと供述する(原告本人[14,16,21,22])。
 本件第2事故の詳細を示す客観的な証拠は見当たらないものの、ひとまず原告の供述を前提にして検討すると、左中指の腫脹が生じていなければ本件第2事故が生じなかった可能性は十分認められるから、本件第1事故及び本件過失と本件第2事故との間に事実上の関連性がないとは言えない。
 しかしながら、上記(1)に認定したとおり、モヤイ像製作は一般的に丸鋸によって手指を損傷する危険性が伴う作業であるから、左中指が腫脹している状態であえてこれを行う以上、原告はその危険性を十分に自覚し通常以上の注意を払って行うべきものであり、本件第2事故は左中指の腫脹によって招来されたというよりは、むしろ原告が自らの手指の状態に応じて払うべき注意を怠ったために、本来自覚しているべき危険が現実化した結果であると認められ、本件第2事故の責任を被告の本件過失に帰することはできない。
(3) したがって、本件過失と本件第2事故との間には法的な因果関係は認められず、この点に関する原告の主張は理由がない。

3 争点2(本件過失と因果関係のある損害)について

(1)原告は本件第1事故並びに本件過失によってモヤイ像製作の作業効率が50パーセント低下したと主張し、原告本人も、平成14年4月頃から左中指が通常の半分くらいしか曲がらなくなり、それによって握力も軽減したため、コーガ石を持ち上げることが困難になり、モヤイ像を製作する量も半分になっていたなどと主張する(原告本人[8,9])。
 この点について検討するのに、上記1(4)に認定したとおり、平成14年4月10日に原告が右中指の異常を訴えていたことからすると、それにより原告のモヤイ像製作に何らかの支障が生じていた可能性は認められる。
 しかし上記2(1)に認定説示した事情によれば、原告が供述するほどに左中指の屈曲が困難になっていたとは認められない。また、左中指PIP関節に約10度の伸展制限が生じていることについても、それがモヤイ像製作に与える影響については不明であるし、(原告本人)、伸展制限が生じていたことについてはなんら供述していない(原告本人)。
 一方、原告が経営する土産物店においては、税務署に対する所得申告や売上を管理する帳簿などは作成しておらず(原告本人[27ないし30])、原告の収入ないし作業量が減少したことを認めるに足りる客観的な証拠はない。そればかりか、モヤイ像が売れるのはほとんど夏期に限定され、販売額も100万円程度であることからすると(原告本人[27ないし30])、原告主張のように作業量が減少していたとしても、夏期以外の季節にあらかじめ製作しておくことによって販売量に見合う程度の製品を用意しておくことが十分に可能であり、作業量の減少は収入の減少をもたらしていないものと認められる。
(2) なお、現在の左中指の状態については、上記1(7)の診断結果が存在するが、同結果によっても、原告のその他の指の屈曲制限の有無は不明であるから、同結果のみでは、本件第1事故及び本件過失によって生じた屈曲制限の程度は明らかではないといわざるを得ないし、その他屈曲制限の程度を示す客観的な証拠はない。
 また原告は現在も左中指に軽いしびれが生じていると供述するが(原告本人[25])、原告の主張する客観的勝つ的確な証拠はない。
(3) 以上の事情を総合考慮すると、原告が主張する収入の減少を認めることはできない。
 しかし、本件第1事故及び本件過失により、原告の左中指に腫脹が生じ、これがモヤイ像の製作能力に何らかの影響を与えた可能性は否定できないこと(被告は、仮に骨折に適切な措置をしていても結果に変わりがなかったと主張し、乙B第1号証中にはこれに添う記載もあるが、その記載の趣旨も、結局、多少の後遺症は残存するものであるとの一般論にとどまり、適切な措置によって現に生じた結果をより軽減できた可能性までを否定するものではない)、本件過失と本件第2事故との間に事実上の関連性がないとはいえないこと、及び原告が本件において弁護士費用の請求を行っていないことなど本件に表れた一切の事情を考慮すると、原告に対する慰謝料として、金50万円を認めるのが相当である。(なお、原告は第1事故については明示的には慰謝料に関する 主張をしていないが、第2事故についての慰謝料の主張は本件全体に関するものと善解できる。)。

4 結論
 以上によれば、原告の主張は主文の限度で理由があるから認容することとし、その余は理由がないから棄却することとし、主文の通り判決する。

裁判長裁判官 藤山雅行
裁判官 (失念)
裁判官 (失念)


毎日新聞 新島村:預金差し押さえられる 医療過誤賠償金支払い巡り

 村立診療所の医療過誤訴訟で東京高裁に損害賠償を命じられた東京都新島村が、112万円余りの賠償金の支払いを巡り、約2700万円の定期預金を差し押さえられていることが分かった。原告は東京・渋谷の駅前などに置かれている「モヤイ像」の製作者として知られる同村本村の大後(だいご)友市氏(76)。村側は「原告が受け取りを拒否している」と説明するが、その際に通常取られる法務局への供託手続きは取られていない。

 1月の東京高裁判決によると、大後氏は01年12月、土産品として販売するミニモヤイ像を自宅工房で製作中、誤って左手の中指を石材用研磨機に接触させて負傷。村立本村診療所で診察を受けたが、医師が骨折の事実を見落とした。判決は、適切な治療が行われなかったため、その後の製作に支障をきたしたとして、1審・東京地裁判決(05年12月)の50万円を上回る112万円余りの支払いを村に命じた。

 高裁は仮執行を宣言し、村はこの時点で賠償金を全額支払うか、上告して担保金を積む必要があったが、支払いもせず上告もしなかった。このため、原告側は東京地裁に村の財産の差し押さえを申し立て、同地裁は今年3月、地元信用組合の村の定期預金2700万円余りを差し押さえた。

 原告側はさらに、高裁判決を不服として上告したが、最高裁は6月に上告を棄却、高裁判決が確定した。その後、村側は賠償金を支払う意向を伝えたが、今度は原告が「村は不誠実。謝罪すべきだ」と態度を硬化させ、受け取りを拒否した。

 村側には、東京法務局に供託して債権・債務関係を解消する方法があるが、22日現在、原告側に手続き完了を知らせる通知は届いていない。差し押さえの対象が定期預金のため、直ちに村民への影響はないが、年0・05%換算の損害金が毎日上乗せされている。

 人口3000人余りの同村では、村民が村を相手に提訴するケースはまれだ。原告側代理人の丸山恵一郎弁護士は「村がすぐに賠償金を支払わなかったのは、村相手の訴訟は許さないという見せしめに見える。民間企業なら、差し押さえは即倒産につながる」と村を批判している。一方、出川長芳・同村長は「相手の都合で支払えないと聞いている」と話している。【清水忠彦】


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