糖尿病網膜症に対する局所レーザー治療について

2012年10月17日

眼底に糖尿病網膜症を発症しています。血が通っていない部分が広がっていたり、網膜のものを見る中心(黄斑)がむくんでいたり、新生血管というもろい血管が、病気のために発生しています。

レーザー光線で網膜の病的な部分に小さい焦げ目を多数つくって焼き払うことにより、糖尿病網膜症の悪化と、糖尿病網膜症によって引き起こされる眼底出血、網膜剥離、緑内障などを予防し、それらによる失明の危険を減らします。

● 治療当日及び後日の診察では,瞳孔を開く薬を使うので、車を運転しての来院はお控え下さい。

● 治療は通常20~30分程度です。数回に分けて行う場合もあります。レーザーによる痛みがあり得ますが、通常は我慢できる程度です。非常に痛みが強い場合には、後日,強い麻酔を施した上で改めて行うことも考えます。但し麻酔自体にも痛みや危険が伴うので、多少の痛みは我慢して頂く考えです。

● 治療直後は見えにくくなりますが、多くの場合はその日のうちに概ね治療直前の状態に戻ります。ただし後述のように視力が低下する場合もあります。

● 治療後の生活は通常通りでかまいません。

● 数回の治療完了後も、見え方は健康な状態までは戻りません。逆に見え方が悪くなる場合も少なくありません。治療中や治療後に眼底出血や網膜剥離などの合併症(副作用)を起こす場合もあり、そのような場合の治療・治療費は別途必要になります。しかし将来的な糖尿病網膜症による失明などの危険を減らすためには網膜光凝固術が有効と考えられています。

● 他の治療法として、手術室での手術(硝子体手術)がありますが、有効性と危険性を比較すると現時点では網膜光凝固術がより妥当だと考えられます。

● 治療を受けない場合は糖尿病網膜症の悪化が見込まれ、それによる眼底出血、網膜剥離、緑内障などの危険が高まると考えられます。

● 手術には、通常の診察料に加えて、片眼につき以下の負担金が、初回にのみかかります。

1割負担: 11,200円

2割負担: 22,400円

3割負担: 33,600円

● 健康保険上、この治療は手術の扱いになります。民間保険などで保険金請求をする場合は、以下の病名と手術名をお伝えください。
病名: 糖尿病網膜症
手術名: 網膜光凝固術(通常のもの)

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