台湾式の中国語を勉強しよう

2015年1月13日

自分は2013年になって台湾に関心を持ち、台湾で一般的に話されているのが、中国大陸でも通じるいわゆる中国語だったので、中国語の勉強を始めました。(ちなみに「台湾語」などという言葉もありますが、「台湾語」は中国語の台湾方言みたいなもので、話せる人もいますが、一番広く話されているのはいわゆる中国語です。)

で、台湾の中国語と大陸の中国語がどれほど違うかなんですが、台湾の人なんかは「イギリス英語とアメリカ英語みたいな違い」と言ったりします。要はほとんど同じだけど、細かい発音の違いとか、言い回しの違いとかが多少あるということです。発音や言い回しが違うから通じなくて困る、ということはまずないと考えていいと思います。

しかし、「イギリス英語とアメリカ英語の違い」では済まされない重大な違いが一つありまして、それは「文字が違う」ということです。 台湾では、日本で言う旧字体にあたる、昔からの漢字(「繁体字(はんたいじ)」とも言う)を使い、大陸では、多くの漢字を大幅に簡略化した「簡体字」を使っています。 例えば、「農業」は、台湾では日本と同じく「農業」と書きますが、大陸では大幅に略されて「农业」と書き、これが正式な書き方です。 逆に、「中継」は、大陸では日本と似ていて「中继」ですが、台湾ではだいぶ複雑で「中繼」になります。パソコンが普及する前なら、「何で「継」の字を書くのに「幺」を5回も書かなきゃならんのだ!」とやさぐれていたかも知れませんが、今はキーボード入力ならば簡体字と全く同じように打てるので、字が複雑であることによる面倒さはだいぶ減っています。

ともあれ、どちらかと言うと台湾のほうに眼が向いている人は、台湾式の中国語を勉強するのが良いでしょう。何しろ世界でも有数の親日国で、人は優しいし、日本統治時代に建てられた建物も、文化財としてたくさん残してくれていて、他の国では味わえない風情がありますし。ちなみに、あとで大陸式の中国語に切り替えることも、字をの対応を覚えさえすればそれでほとんど終わりなので、さほど困難ではないと思います。

さて、日本で台湾式の中国語を勉強しようとして、一番困るのは「テキストがほとんどない」ということです。 大きな本屋に行くと、今ではかなりのスペースを取って中国語のテキストが並べられているけれども、そのほとんどが「簡体字」で勉強するために書かれた、大陸式中国語のテキストです。台湾式の繁体字のテキストは数えるほどしかありません。日本から台湾に行く人も台湾から日本に来る人もいっぱいいるわりには、テキストが少なすぎるように思います。

今から中国語を始めるとか、既に始めたけれどもまだまだ初心者という方が使える本といえば、今のところはこの「バッチリ話せる台湾華語」の一択です。「台湾華語」が、台湾式中国語のことを表しています。日本で出版された日本人向けテキストで普通に勉強するとなると、自動的にこの本になります。

しかし、もしも現地出版の本でガッツリ勉強する気持ちがあれば、台湾師範大学国語センターが製作し、台湾の語学留学で圧倒的に使われている「実用視聴華語」を強くお薦めします。台湾にある大学のほとんどの中国語センターでこの教科書が採用されており、圧倒的な指示を受けています。既に他のページで書いたことですが、内容と例文が豊富で、外国語を勉強するならこういう本を使わないとと思わせるような本です。実はこのシリーズで圧倒的に面白いのは第3巻と第4巻で、第1巻から始めると、正直なところ内容は比較的平凡です。しかしながら、この教科書の旧版のビデオが YouTubeに落ちていて、映像付きで勉強できることでだいぶ助けられます。そしてその面白い第3巻と第4巻の内容ですが、本文の舞台はアメリカを想像させるどこかの外国で、主人公は、中国語を勉強し始めて1年の西洋人と、台湾から移民でその国に渡った人の息子の二人で、その二人が寄宿舎で同室になったという設定です。そこに他の台湾人留学生が混じって、色々な話題を繰り広げるという、実生活に直結した内容になっています「二股」とか「薬物」といった言葉も普通に登場しますし、また新出単語の例文も面白いのがあって、例えば「利用」という単語の例文が「王愛美さんは私のことを好きなんかでは全然なくて、ただ中国語会話の練習をしたいと思っているのだ。彼女は私を利用しているのだ。」だとか、「刺激」という単語の例文が「君は、彼の髪の毛がだんだん減ってきていることを知っていながら、「ハゲ」を話題にして、彼を刺激しすぎだ。」とか、日本の日本語教科書では到底考えられないような例文があります。

教室で勉強するなら、「台湾華語」で検索するといくつか教室が引っかかるので、そこから探せばよいでしょう。私は教室ではなくカフェで個人的に教えてもらうようにしていました。その先生を探したのが、中国語センセーなるサイトで、ここで検索キーワードとして「台湾」を入れて探しました。

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