あゝ上野駅(1985年ころの思い出)

2006年11月19日

中学から大学時代にかけて、たびたび北海道に一人旅に出かけた。旅の出発点は上野駅であり、終着点も上野駅である。
今はもうすっかり改装されてきれいになっている中央口だが、当時の中央口は雑然として、まさしく終着駅そのものである。そんな中央口をスポーツバックひとつで外に出ると、いかついおじさんが近づいてきた。
「こんにちは。きみ、学生さん?学校通っているの?」
さほど怪しい感じは受けず「高校生ですが…」と答えると、
「そうか、高校生なんだね。私、自衛隊の者なんだけど、学生さんは勉強がんばらないとね。がんばってね」
と言い残して去っていった。
終着駅を舞台にした自衛隊の勧誘。家出少年でも狙っていたのだろうか。不思議なものに出会ったものだと思っていたら、翌年も引っかかってびっくりした。

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